 |
 |
 |
 |
技術情報
 |
|
ポバール水溶液
ポバールは一般的に水溶液にして使用します。
1.溶解方法
水にポバールを投入し加熱して溶解します。なお、熱源としては水蒸気の直接吹き込みやジャケットのよる間接加熱が考えられます。溶解液中にポバール粒子が認められなくなれば溶解は完了です。(図1.2)
完全けん化物と部分けん化物では、溶解方法が若干異なりますので、注意が必要です。
- 完全けん化物
常温の水を攪拌しながらポバールを仕込みます。よく撹拌しながら、加熱を始め、液温が約95 に到達後60分くらいで完溶します。
- 部分けん化物
部分けん化物は冷水易溶のため、仕込時に大きな塊状物やママコを生成しやすいので注意が必要です。仕込む時の水温は25 以下にし、よく撹拌しながらできるだけゆっくりポバールを仕込みます。仕込み後も充分撹拌を続けながら、昇温し、93〜95 まで到達後30〜60分で完溶します。
2.粘度安定性
完全けん化ポバールの水溶液を低温で放置した場合、濃度が高いほど、また放置温度が低いほど粘度が上昇したりゲル化する事があります。増粘の程度はけん化度が低いほど、濃度が低いほど、放置温度が高いほど緩和されます。(図3.4)
3.水溶液の粘度
ポバールの水溶液の粘度は銘柄によって、また濃度、温度によって異なります。
ここに主要な<クラレポバール>の濃度−温度−粘度の関係(B−型粘度計による)を示します。
(図5 PVA-105)
(図6 PVA-117)
(図7 PVA-124)
(図8 PVA-205)
(図9 PVA-217)
(図10 PVA-224)
4.界面活性的な性質
ポバールには界面活性能、保護コロイド能があります。ポバール水溶液の表面張力は、疎水性の酢酸基をより多く持つ部分けん化ポバールの方が、完全けん化ポバールに比べて低い値を示します。(図11)
5.接着性
ポバール水溶液は紙・繊維・木材といったセルロース系をはじめとする多くの物質に対して、極めて高い接着性を示します。
6.他の水溶性高分子との相溶性
(比較的)相溶性の良いもの:CMC、アクリル酸エステル、にかわ、カゼイン、アルギン酸ソーダ等
相性の悪いもの:メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等
7.水溶液の貯蔵
ポバール水溶液は長期保存しても化学的な変化は起こしませんが、微生物やカビの侵入、水質、保存容器の材質などによって、腐敗したりカビや錆が発生することがあります。また粘度が経時的に上昇したりゲル化することがあります。これらの対策として次の方法を紹介します。
- 腐敗、カビ対策
微生物、カビの侵入を防止するか、各種防腐剤、防カビ剤を添加して下さい。(100〜1000ppm/ポバール水溶液)
- 錆対策
錆びやすい容器は避けて下さい。錆びやすい容器を使用される場合は防錆剤を添加してください。(100〜1000ppm/ポバール水溶液)
- 増粘対策
完全けん化ポバールの高濃度水溶液等増粘しやすいものは、水溶液作成後出来るだけ早く使用するか、あるいは希釈して下さい。高濃度溶液を保管する場合は50〜70 で保温することをお勧めします。また、一旦ゲル化した水溶液も加熱撹拌により水溶液としての流動性が回復すれば、ゲル化前と同様に使用できます。
8.溶液の発泡・消泡
ポバールの溶解中やポバール水溶液の使用中、粘度や撹拌速度によって発泡する場合消泡剤を添加して下さい。(500〜5000ppm/ポバール)
尚、消泡剤を添加した銘柄もご用意しています。
|
 |
 |
|
|
 |
|